年末年始で仕事が忙しい時こそ大切にしたい!! ジョブズらが取りいれた「歩くこと」の効果を考える

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国土交通省が行なった「全国都市交通特性調査」(2015年)によると、20代男性の休日の外出がこの30年間で半減。移動回数においても70代を下回る結果となりました。この調査結果がニュースになると、SNSを中心に話題に。

屋内よりも屋外に出かけることで、1日の歩行回数は全く異なります。今回は運動不足が及ぼす影響と、その改善策について、奈良県立医科大学MBT研究所教授・梅田智広さんが語りました。

運動不足と肥満、死亡リスクが高いのは?

みなさん、こんにちは。梅田智広です。今回は、運動不足と散歩のお話です。まず、最初に、ケンブリッジ大学での大変興味深い報告をご紹介しましょう(1)。運動不足による死亡と肥満による死亡、これはどちらが多いと思いますか ?

同大学での報告だと、なんと肥満による死亡よりも、運動不足による死亡の方が約2倍も多いのです。運動不足というものが意外と深刻であるということがわかりますよね。ですが、これらは運動をすることによって改善が見込まれます。

例えば、毎日20分の早歩きを取り入れることで、若年死のリスクが最大3割減少。また、毎日30分、週5日にわたって程よい運動を取り入れると、死亡率は原因問わず19%減少するとのこと。これが週7日に増えると19-24%減少という結果になるのです。運動の回数および強度の増加によって、死亡リスクを軽減させることができるようです。

とはいえ、週5日や7日も運動だなんて、「わかってはいても実際には難しい」という方が多いでしょう。そんな方々にオススメな改善策が歩くことです。

「歩くことは人間最良の薬」、医学の父・ヒポクラテスも語る

人間は歩くことで心拍が上昇し、座っている時よりも血流が改善され、全身に多くの血がまわります。それにより筋肉のみならず身体の組織に多くの酸素が運ばれます。脳にも同様。歩くことで身体や脳が活性化されるのです。

また、早歩きを取り入れることで、認知機能が向上するという研究成果も複数出ています。脳への良い刺激には歩くことが最適。通勤通学時に歩くことを取り入れたり、会社での歩行会議を取り入れても良いかもしれませんね。

あのスティーブ・ジョブズをはじめ、古くはベートーヴェン、さらにはソクラテス、プラトンらも積極的に歩行会議をしていたことで知られています。彼らは経験的にその効果を理解していたのでしょう。古代ギリシャの医学の父ヒポクラテスにおいては、2400年も前に既に「歩くことは人間最良の薬」と言い残しています。

年末年始ともなると、仕事が忙しくなってしまう方が多いかと思います。ですが、そんな時こそ、歩くことを意識することで、パフォーマンスが向上することも。辛い時こそ、意識的にテンポ早く、歩幅・腕振りを大きくし、力強い活動的な歩行を心がけると、逆に気分は晴れるかもしれませんね。ぜひ、お試しください。

梅田智広(うめだ ともひろ)奈良県立医科大学 MBT研究所 教授

1999年東京理科大学大学院卒。同年三菱マテリアル(株)入社。  オリンパス(株)、東邦大学医学大学院、東京理科大学専門職大学院総合科学研究科(MOT)修了を経て、2006年東京大学工学系大学院特任助教。 東京理科大学総合機構客員准教授、慶應義塾大学大学院政策メディア研究科特任助教、東邦大学医療センター大橋病院整形外科学講座客員講師、奈良女子大学社会連携センター特任准教授を経て、2015年4月より奈良県立医科大学産官学連携センター、MBT研究所教授。医学博士、技術経営修士。

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