• 子供
    • ジモト系

多様な民の連携でスポーツ振興に貢献 株式会社Cuoreの取組

「Team Sport in Life」の5つのテーマの1つ、「#ジモト系」のアンバサダーを務めるプロサッカー選手の長友佑都さん。その長友さんのマネジメント管理を中心に、トップアスリートの経験やノウハウを生かした商品・サービスを展開する株式会社Cuoreが中心となった取組が神奈川県小田原市で行われました。題して「親子de一緒にスポーツデーin小田原」。スポーツと小田原の名産品を絡めた「#ジモト系」ならではのプログラムをご紹介します。

加盟団体情報

株式会社CUORE

代表取締役社長 CEO 長友佑都

2016年4月1日

事業内容:アスリートの肖像管理/マネジメント、フィットネス器具や食品の販売活動、レシピサイト運営
URL:https://cuore-nagatomo.com/

加盟団体情報

株式会社鈴廣蒲鉾本店

URL:https://www.kamaboko.com/

親御さんの運動機会が減っている

今回の取組には株式会社Cuoreを中心に、地元小田原市からは小田原市体育協会と、株式会社鈴廣蒲鉾本店が協力。小学生年代の育成・強化を担うサッカースクール「YUTO NAGATOMO FOOTBALL ACADEMY」を運営する株式会社INSIEME、トレーニングプログラムを組む株式会社Higherを加えた計4団体が参加しました。

株式会社Cuoreの津村洋太さんは次のように企画の意図を語ります。

「以前から長友佑都と共に運動・スポーツ人口を増やす啓蒙活動を実施してきましたが、SNSなど不特定多数への発信が中心で、実態としてどれだけ浸透している実感がありませんでした。でもある時、鈴廣蒲鉾さんと連動してアスリートを目指すお子さんへの『食育』に取り組む中で、小田原市体育協会さんが30代40代の親御さんの運動機会が減っている課題を持たれていることを知りました。私達は長友佑都をはじめとするトップアスリートの知見や、彼らが日々取り組む活動から創造した商品やサービスを健康課題の解決策として提供しており、お子さん向けのサッカー教室に加えて、食育やフィジカルトレーニングなどのプログラムを入れて親御さんを巻き込むことで、健康習慣の喚起に包括的なアプローチが出来ると考えています」

子供達にイベントの説明をする株式会社Cuoreの津村洋太さん

サッカーを通じて主体性を育んで欲しい

イベントに参加したのは抽選で選ばれた小田原市内の小学生親子10組。午前中は子供達のサッカークリニックが行われました。サッカー経験者がほとんどですが、中には初めてサッカーをするという子も。指導をするのは株式会社INSIEME代表でメソッド責任者の平野智史さん。ボールに触れる前にまず鬼ごっこで子供達の緊張をほぐします。

鬼ごっこの様子

身体が温まったところでボールを使った練習へ。パスを引き出す動きや味方のポジショニングの確認といった技術的なコーチングだけでなく、仲間とのコミュニケーションや自分で考えて行動する「主体性」という言葉を使い、熱意を持って接していきます。また「長友選手だったらどうするか?」といった問いかけがされるなど、熱心に耳を傾ける子供達の姿が印象的でした。

初めてサッカーを経験したという小学2年生の和田理宏くんは「コートの中で見えない場所があれば首を振ってみるということが勉強になりました。ミニゲームにも勝つことができてとても楽しかったので、地元のサッカーチームに入りたいです」と刺激になった様子。5歳からサッカーを始めた武田直樹くんも「平野コーチに教えてもらってパスが早くつながるようになりました。試合でもやってみようと思います」と笑顔で話していました。

ボールを蹴る子供達や円陣になってコーチの説明を聞く様子など。

指導を終えた平野智史さんは「まずスポーツを好きになって身近に感じてもらうことがこの教室の目的ですが、スポーツがその人の人生に大きく寄与できるということを伝えたいです。1つのプレーがうまくいくことが小さな成功体験になる。それがつながっていくことで、人生でのチャレンジ精神につながるはずです。このコロナ禍で何かと日常生活が制限されていますが、決して委縮することなく、自分で物事を考えて決めて、アクションを起こす主体性をスポーツを通して育んでくれたら」と期待を込めます。

サッカー教室に参加した子供達と保護者ら

地元の味を体づくりに

思い切り体を動かした後は待ちに待ったランチタイム。ここではかまぼこで有名な地元、小田原市ならではの取組が紹介されました。 配られたのは小田原市の老舗かまぼこ店、株式会社鈴廣蒲鉾本店による特製弁当。
すり身で作ったソーセージや、タンパク質豊富なかまぼこ素材をふんだんに使った炊き込みご飯、グラタンなど工夫を凝らした品々が詰められました。
また、長友選手の専属シェフの加藤超也さんと共同開発したフィッシュプロテインバーもお土産に配られました。

株式会社鈴廣蒲鉾本店常務取締役本部長の鈴木智博さんから、かまぼこの歴史や作られる過程、体への効果などが説明されたあと、参加者は早速舌鼓。子供達からは「美味しい」「また食べたい」と好評でした。

かまぼこ素材を使った特製弁当は子供達にも好評

親子の食事風景を嬉しそうに見つめた鈴廣蒲鉾本店の鈴木さんは次のように語ります。
「弊社は箱根駅伝の中継所にもなっており、大相撲やJリーグ湘南ベルマーレへのスポンサードなど積極的にスポーツに関わってきました。株式会社Cuoreさんとは『魚肉たんぱく同盟』という魚肉を通して世界を健やかするという活動をおこなっていて、そのご縁もあり、今回協力させていただきました。かまぼこは1本に7匹もの魚を使います。魚の命を頂くことと、手間をかけている職人さん達への感謝の気持ちを持つという意味で子供達への食育は非常に大切です。また大人の方にはかまぼこが優良なタンパク源になることを知ってもらい、これまでのおせち料理やお土産というイメージからスポーツの補食にもなることを広めていけたらと思っております」

かまぼこの栄養素についてレクチャーする株式会社鈴廣蒲鉾本店常務取締役本部長の鈴木智博さん

体はちょっとしたことで変わる

午後は「自宅de長友式トレーニング」と題されたフィジカルトレーニングが行われました。
今度は親御さんたちも子供と一緒になって体を動かします。トレーナーは長友選手やオリンピック選手をはじめ、多くのトップアスリート、芸能人の指導をしてきた株式会社Higher代表の竹口正範さん。今回は肩や腰の不調を解消することを目的としたメニューが組まれました。
配布資料に記された簡単な動作チェックに基づいて、動きが悪い部分や痛みなどを認知してもらった上で改善アプローチとなる肩や腰、股関節のトレーニングを実施。親子で互いの動きを確認しながら、アスリートと同じプログラムをこなしていきます。

トレーニングの様子

トレーニング後の質疑応答では親御さんから「走る時の左右バランス」や「怪我予防のトレーニング」など具体的な質問があがりました。体験を終えた母親の澤田綾香さんは「トレーニング前と後で体の動きが全く違うことに驚きました。怪我予防の意味でも日頃のトレーニングは大切ですね。後日にはオンラインでのフォローセッションもあるようなので、また子供と参加します」と汗をぬぐっていました。

多くのトップアスリートを指導してきた竹口さんですが、「トップアスリートがやっているからといって、何も特別なトレーニングではない」と説明します。
「競技に特化したものはほぼ一部で、長友選手でもそのメニューの多くが苦手な動きが悪い部分を改善するシンプルなものです。大人も子供も普段の生活の中にちょっとしたトレーニングを取り入れることによって、体はかなり変わるということを多くの人に知って体感してもらいたいですね」

トレーニングの重要性を説明する株式会社Higher代表の竹口正範さん。

今後は健康経営の一環で企業への発信を

このように、今回のプログラムは「サッカー」「地元食材を使った食育」「フィジカルトレーニング」と3つの柱で構成され、「興味を持って飽きずに参加できた」「健康への意識を体系的に高められた」と参加者からは好反応が集まりました。

協力した小田原市体育協会の専務理事、豊田善之さんも「平成27年の小田原市のスポーツ実施率(1日30分以上、1週間に1回以上スポーツする人の割合)が44.3%だったものを2022年度までに65%に引き上げるという目標があります。その意味ではこういった民間団体さんのノウハウを用いた連携は大いにスポーツ振興に貢献できると考えており、今後も同様の取組は広がっていくと思います」と期待を込めます。

スポーツサービスのノウハウを持つ企業が中心となり、地元企業や団体がタッグを組んで新たな運動習慣の喚起を刺激する取組は「#ジモト系」ならでは。株式会社Cuoreの津村さんは今後のさらなる展開に意気込みを見せます。

「今回のプログラムを通して、顔が見える形での発信ができたことは大きいですし、ここにSNSを活用することによって相乗効果が期待できます。運動・スポーツ、食事、人間性育成を絡めた展開が私達の強みです。今後は健康経営という形で企業の社員さんに向けた発信も強化していければと思っております」

Pickup