「FUN+WALK PROJECT」実施時の様子(令和元年10月)
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「歩く」ことを通して、心と体と社会の健康に貢献したい アサヒ飲料株式会社の取組

日々忙しい日常の中で、運動やスポーツをするのはハードルが高いと感じている人は少なくないでしょう。しかし、忙しい日常の中に、運動を「組み込む」ことができるのです。会社をあげて社員に「歩く」ことを推奨し、健康を推進しているという、アサヒ飲料の榎本哲也さんに話を伺いました。

アサヒ飲料株式会社
代表取締役社長 米女 太一
加盟団体情報

アサヒ飲料株式会社

代表取締役社長 米女 太一

1982(昭和57)年3月30日

東京都墨田区吾妻橋一丁目23番1号

各種飲料水の製造、販売、自動販売機のオペレート。2017年に全社活動として「アサヒ飲料 健康チャレンジ!」を立ち上げ、その取組の1つとして、「FUN+WALK PROJECT」へ参画。社員が歩くことを楽しみながら健康的になっていくことを目指し取組を実施している。

貴社では、スポーツの促進に関する取組として、どのようなことを実施されていますか。

我々は「100年のワクワクと笑顔を。」という社会との約束があり、そのマテリアリティ(重点課題領域)のひとつに健康を掲げています。健康維持のためには、質の高い睡眠をとることや適度な運動をするなど、生活リズムを整えることが欠かせません。そこで、特に社内で推進しているのが、「歩く」ことです。スポーツというと、トップアスリートをはじめ、激しい運動を想像しがちですが、スポーツ庁でも、ウォーキングをはじめ、軽い運動もスポーツであるとし、そのハードルを下げる試みをされていると思います。何より、高強度の運動は継続しづらい傾向にもあると思うので、我々はより手軽に取り組める「歩く」ことに重きを置いています。
そのほか、ライフスタイルの変化で在宅勤務が多くなる中、デスクで働きながらストレッチを行うことを、社内で呼びかけています。同時に、オンラインのセルフケアプログラムも実施しています。これは、デスクに座りながらできる簡単なストレッチを中心に、専門の講師がオンラインで教えてくれるものです。
また、社内にはスタンディングミーティングスペースがあるので、座りっぱなしになりがちのところ、立って働くこともできます。さらに、コロナ前は、「歩く(健康)」と「清掃する(環境)」を兼ねた活動として、ウォーキングをしながら町のクリーンアップ活動もしていました。

スポーツ庁においては、「歩く」ことを入口にスポーツの習慣化を推進する「FUN+WALK PROJECT」を展開しています。「歩く」ことに重きを置いているという貴社も、2017年度から本プロジェクトにご参加いただいていますが、参加のきっかけや具体的な活動内容について教えてください。

アサヒ飲料では、マテリアリティ(重点課題領域)のひとつに「健康」を掲げているので、お客様へ健康を届けたいという強い思いがあります。しかし、まずは社員自身が健康でないと、お客様へも「健康」という価値をお届けすることはできないと考えています。そこで、2017年に「健康チャレンジ!」というプロジェクトを立ち上げ、その取組のひとつとして社内に向けて「歩く」ことの推進をスタートさせました。当時のスポーツ庁が勧めていた「歩きやすい服装での通勤」という取組に賛同し、弊社にも「スニーカー通勤」を導入しました。これまで、男性社員は革靴、女性社員はパンプスが主流だったので、まず歩きやすさが格段に上がりました。中には一駅手前で降りて、歩いて出社するようになった人もいました。ジムに通ったり、ジョギングをしたりするのもいいのですが、モチベーション維持が難しく、継続できないケースが多いと思います。そこで、通勤時にウォーキングを取り入れることによって、無理に運動時間を増やすのではなく、日常に運動を組み込むことから始めたのです。
ちなみに、「FUN+WALK PROJECT」に参加するようになった2017年度 から、弊社では「ウォーキングキャンペーン」として、社内で歩数の競争を始めました。今年からはその仕組みを強化して、アサヒ飲料独自のアプリで自身のランキングも見えるようにしたので、上位のランクインを目指したり、同じ部署の中では1位になりたい、などと、更なるモチベーションアップにつながればいいなと考えています。

「FUN+WALK」の活動イメージ

それは、まさに「ながら」の運動ですね。歩くことを推奨した結果、社員の皆さんにはどのような効果が得られましたか。

まずは、社員たちの歩数が実際に増えました。 また、歩くきっかけが増えたという人が多かったことも、アンケートからわかりました。
次のステップとしては、歩いたことが実際に健康になっているかということです。例えば健康診断の結果が良くなっていたり、良い状態を保てているかなど、分析したいと考えています。

貴社の取組は、「歩きながら」に注力をしておりとてもユニークです。他に、歩きながら実践していることはありますか。

スニーカー通勤は、わかりやすい「ながら運動」です。他にも、弊社は飲料メーカーなので、例えば、マーケティング部門では歩きながら近所の自販機や飲料売り場の様子を見て業務に役立てるということも推奨しています。また、ラジオを聴くように、歩きながらためになるポッドキャストなどを聞いて、徒歩を学びの時間にするのも効率的だなと感じています。私は、「健康チャレンジ!」の事務局でもあるので、自分で体験してよかったものや、マーケティング本部で試してみた活動などを、全社員に発信しています。

「健康チャレンジ!」の一環として社員とウォーキングする米女社長

様々な取組を実施する中で、課題はありましたか。

「歩く」ことへの関心が社員それぞれで異なるという点でしょうか。同じ情報を発信していても、社員によって受け止め方が違います。全社の8割はこの活動に共感し参加していますが、残りの2割の人にも賛同いただけるアプローチは、今後も長期的に考えていく必要があると感じます。
また、実施している社員の中でも、目標である1日8,000歩に到達できないこともあります。一方で、1日1~2万歩歩いている社員もいるので、前向きに継続参加してもらえる提案を続けていきたいと思っています。

貴社の健康に対する取組において、今後どのような新しい展開を予定していますか。

今までは、社員が歩いて健康になることを中心に取り組んできました。しかし、冒頭にお話ししたように、最終的に健康を届けたい対象は世の中のお客様です。「歩く」という活動を何年も継続して行っているアサヒ飲料だからこそできる健康価値の創造を目指したい。我々の商品やサービス、取組を通じて多くの人に届けたい。そんなふうに、常日頃から考えています。
例えば、弊社には「Walk for a smile」というプロジェクトがあります。現在行っているのは、社員の歩数に応じて、ウォーキング大会やイベントへ弊社の商品を提供するという活動です。これを発展させて、実際にお客様にも歩いて生活リズムを整えてもらえるような取組も行いたいと考えています。具体的な内容はまだ決まっていませんが、そういったお客様自身に健康価値を届けられるような仕掛けを作っていきたいです。その際に、飲料メーカーとして、歩くときに良い飲み物をご提供するなど、弊社ならではの取組にできたらいいなと思っています。

ありがとうございました。最後に、同じく「#ながら系」のスポーツを推進している方にメッセージをお願いします。

新型コロナウイルスの影響もあり、今は変化の時代です。ステイホームや在宅勤務など、生活スタイルが変化している中、それでも毎日を忙しく過ごしている人が多いと思います。そんな時代だからこそ、「ながら」は効率がいいと思っています。新しいことをやろうとすると無理が生じて続かなくなってしまうことも多いので、今ある日常生活に何かをかけあわせてみることをお勧めします。無理のない範囲で歩いて出勤する、テレビを見ながら体操するなど、自分のライフスタイルに合ったものを探っていただければいいのかなと思います。

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